作成日時:2025年5月15日
肩甲骨が固まってる?肩甲骨が固まっている状態とはを解説します!-パーソナルジムAID広尾
「肩甲骨が固いんです」
そういった悩みをよく耳にします。
デスクワークやスマホの長時間の操作などから、猫背やストレートネックなどの姿勢不良で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
この様な姿勢が長時間続くと、肩甲骨が固くなり肩こりや腰痛などの慢性痛などを引き起こします。
では、肩甲骨が固いとはどのような状態なのでしょうか?
肩甲骨って動くの?
肩甲骨は3つの関節を構成しており、17個の筋肉が付着しています。
私たちは筋肉の収縮を利用して関節を動かしているため、肩甲骨はしっかりと動くべきです。
日常生活では
・頭上に物を持ち上げる
・物を投げる
・押す/引く
など、腕を使う動作では必ず肩甲骨の動きが必要となります。
しかし、肩甲骨は動けば動くだけ良いと言う訳ではありません。
肩甲骨が構成する3つの関節にも「モビリティー関節」と「スタビリティー関節」のそれぞれの役割を持っているため、肩甲骨が動きすぎるor肩甲骨が動かない これらのどちらかに分類されるのが良くありません。
(モビリティー関節、スタビリティー関節に関しては「こちら」の記事をご覧ください。)
今回3つの中でも特に重要な2つの関節をご紹介します。
肩関節①肩甲上腕関節について

この関節は、モビリティー(可動性)を重視しているため、自由度が高くさまざまな方向に動かせるのが特徴です。
しかし、その一方で安定性が低いことが課題となっており、これがケガの原因になることもあります。
肩甲上腕関節の構造を「ゴルフボールがティーに乗っているようなもの」と例えることがあります。

これは、上腕骨の丸い骨頭が、肩甲骨の浅い関節窩に乗っている状態を指しており、面積が小さいために不安定なのです。
そのため、肩甲上腕関節は脱臼が起こりやすく、特に前方脱臼が多く見られます。
この安定性を補うために、インナーマッスル(ローテーターカフ)や靭帯が周囲を支え、関節が外れないようにサポートしています。
肩甲上腕関節が正常に動いている場合、「バンザイ」をした際に腕が耳の横までしっかりと上がります。
しかし、可動性が低下していると、腕が耳の横に届かない、または肩をすくめたような不自然な動きになってしまいます。
肩甲上腕関節の可動性を失う原因
肩甲上腕関節の可動性が低下する原因としては、肩甲骨周囲の筋肉の硬さや胸郭の動きの制限が挙げられます。
特に、大胸筋や広背筋が硬くなることで、腕を上げた際に前方や内側に引っ張られてしまうため、自然なバンザイ動作ができなくなります。
これらの筋肉がスムーズに動くことで、制限がなく適切な動作が出来てきます。
肩関節②肩甲胸郭関節

他の一般的な関節と異なり、骨同士が直接接触しているわけではありません。
肩甲骨と肋骨の間には筋肉や筋膜が介在しており、これが肩甲胸郭関節を特殊な構造にしています。
関節包や靭帯を持たないため、「機能的関節」と呼ばれています。
これに対し、通常の「解剖学的関節」は、関節包や靭帯で囲まれた空間を持ち、骨同士が滑らかに接触して動きます。
先述した、肩甲上腕関節は解剖学的関節にあたります。
肩甲胸郭関節では、肩甲骨が肋骨のカーブに沿って滑り動くため、肩甲骨が自由に動けることが肩関節の可動域を広げるポイントとなります。
猫背のように背中が丸くなると、肩甲骨も外側に引っ張られてしまい、内側に寄りにくくなります。
そのため、肩甲胸郭関節の柔軟性が低下すると、肩の可動域制限に繋がることが多いです。
肩甲骨は他の骨と連鎖して動いている!
ここまでで肩甲骨は様々な骨と繋ぎ合っていることが理解できたかと思います。
肩甲骨が構成している関節は「可動性」と「安定性」の両者を保つために、上腕骨や胸椎、鎖骨などの他の骨と連鎖して動いています。
連鎖:肩甲上腕リズム

肩甲上腕リズムとは、肩甲骨と上腕骨が協調して動くリズムのことを指します。
腕を挙げる動作(バンザイ)は180°の可動域が適正と言われています。
腕を180°の挙上する際には、肩甲骨と上腕骨が2:1の割合で動くのが正常とされています。
120度は上腕骨の動き、60度は肩甲骨の動きによるものです。
このリズムが崩れると、肩甲骨が十分に回旋できず、肩関節に負担がかかります。
主に、棘上筋や僧帽筋、前鋸筋がリズムの調整をサポートしており、これらの筋肉が硬直するとリズムが乱れ、肩こりや肩関節の痛みを引き起こします。
筋の協働収縮:フォースカップル
肩甲骨のフォースカップルとは、複数の筋肉が異なる方向に引っ張り合いながらも、結果的に一つの動きを生み出す力のバランスを指します。
引用:上肢拳上運動における運動速度が肩甲骨周囲筋の活動順序に与える影響
この動きは、僧帽筋上部繊維、僧帽筋下部繊維、前鋸筋が連携して働くことで実現します。
僧帽筋上部繊維が肩甲骨を引き上げ、前鋸筋が外側へ引っ張り、僧帽筋下部繊維が下方向へ引くことで、バランスよく肩甲骨が上方に回旋します。
これらの筋肉が協調的に収縮することで、肩甲骨がスムーズに回旋し、肩関節の可動域を確保できます。
このように、異なる方向へ引っ張り合う筋肉が互いにバランスを取りながら動くため、「フォースカップル(力のカップル)」と呼ばれます。
上方回旋がうまくできないと、肩甲上腕リズムの乱れとなり、腕を挙上させるバンザイの動作がスムーズに行えません。その結果、肩こりや肩関節の痛みに繋がります。

まとめ
肩甲骨が「固まっている」とは、肩甲骨が適切に動かず、骨連鎖がうまく機能していない状態を指します。
本来、肩甲骨は上腕骨、鎖骨、胸郭などと協調しながら動くため、これらの動きが阻害されると肩こりや肩関節の痛みが生じます。
特に、肩甲上腕関節や肩甲胸郭関節の可動性が低下すると、肩甲骨自体の動きが制限され、腕を挙げたり振り回したりといった動作が困難になります。
また、肩甲骨が動きすぎても問題があり、過可動性によって肩関節が不安定になると、インピンジメント症候群や脱臼のリスクが高まります。
肩甲骨が動かない状態と動きすぎる状態、その両方が肩の不調を引き起こす原因となり得るため、適切な可動域と筋力バランスが求められます。
日常生活では、デスクワークやスマホ操作が原因で、肩甲骨が外側に引っ張られたり、猫背やストレートネックが定着しやすくなります。
これにより、肩甲胸郭関節の動きが制限され、肩甲骨が「固まった」状態となり、肩こりや慢性痛へと繋がります。
肩甲骨が固いと感じる方は、パーソナルジムAIDで柔軟な肩関節を取り戻すためのトレーニングを一緒に行いましょう!お問い合わせボタンから申し込みください!
経歴
ー2020-2025 FLUX CONDITIONINGS
ー2025- 株式会社N-SQUARE
資格
ーNSCA-CSCS
ーActive-Aid Program Level 1 修了
ーActive-Aid Program Level 2 修了
ー中学校教諭一種免許状(保健体育)
ー高等学校教諭一種免許状(保健体育)
パーソナルジムAID広尾へのアクセス
パーソナルジムAID広尾は、広尾駅と恵比寿駅のどちらからも徒歩圏内でアクセス可能です。通いやすい立地なので、仕事帰りやお出かけついでにも便利です。
恵比寿駅・広尾駅のお近くでパーソナルトレーニング受けたいという方は、是非一度いらしてください!
広尾駅からのアクセス(徒歩約4分)
① 広尾駅2番出口を出て地上に上がります。
②「広尾散歩通り」を右に曲がり、セブンイレブンを目印に直進します。
③ 約180m進むと「祥雲寺」の門が見えるので左折します。
④ さらに約50m進むと右手に「ナチュラルローソン」があるので右折。
⑤ そのまま10mほど進むと左手に「SR広尾」ビルがあります。
⑥ ジムはビルの4階にあります。
恵比寿駅からのアクセス(徒歩約15分)
① 恵比寿駅東口を出て恵比寿ガーデンプレイス方面へ直進します。
②「恵比寿南交差点」を渡り、広尾駅方面へ進みます。
③ 道中に「ナチュラルローソン」や「祥雲寺」などの目印があります。
④ 広尾駅近くの「広尾散歩通り」を右折し、上記の広尾駅からのルートと同じ道順で進んでください。