作成日時:2025年11月26日
股関節前側の痛み:腸腰筋?FAI?週末アスリートに多い“前痛”の正体とは?
股関節の前側、いわゆる「鼠径部(そけいぶ)」の痛みは、週末アスリートに非常に多く見られる症状です。
走る・スクワットをする・階段を上る・立ち上がる――
どの動きにしても、股関節の前側は必ず通る関節の“要”。
そのため、ちょっとした動きの癖や姿勢の乱れが積み重なるだけで、前側に負担が集中してしまいます。
私は柔道整復師として、そしてトレーナーとして多くのアスリートや運動好きの方を見てきましたが、
鼠径部痛は「原因が複雑」かつ「誤解が多い」痛みの代表格だと感じています。
本記事では、前側の痛みが起こるメカニズムを専門家の視点から深掘りし、
週末アスリート特有の背景も踏まえながら、改善の方向性までわかりやすく解説していきます。
前側の痛みは大きく「3つの原因」が!?

鼠径部に痛みを出す主な原因は、大きく以下の3つに分類できます。
① 腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)の過緊張と機能不全
これは非常に多いケースです。腸腰筋は以下のような動きの中で重要な役割をになっています!
- 股関節を曲げる(屈曲)
- 姿勢を支える
- 走る際の足のスイング動作に関わる
しかし、「座りすぎ × 胸郭の硬さ × 反り腰癖」といったデスクワークの多い方に見られる特徴があると腸腰筋が常に“引っ張られたような状態”もしくは"縮みすぎ"になり、働きが乱れます。
この状態のまま運動をすると、
- 股関節を深く曲げたときに詰まり感を感じる
- 走っていて脚を振り上げると痛む
- 階段を登っていると鼠径部に引っかかる感覚がある
といった症状が出やすくなります。
さらに多いのが、腸腰筋が固い → ストレッチのしすぎ → 余計に痛くなるという悪循環。
実は腸腰筋は「伸ばすこと」よりも
胸郭の位置を整え、腸腰筋を適切に“使える状態”を作ることが重要です。
② FAI(Femoroacetabular Impingement:大腿骨寛骨臼インピンジメント)
FAIは、股関節を深く曲げたときに骨同士がぶつかり、鼠径部に痛みが出る状態です。
典型的な症状は以下:
- スクワットで深くしゃがむと前側が痛い
- 椅子から立ち上がるときに痛む
- 長時間の座位後に詰まる感覚
- 走ると鼠径部奥がズキッとする
FAIの背景には、姿勢の問題や股関節の動かし方の癖 が強く関わっています。
特に週末アスリートで多いのは、
- 胸郭が硬い → 骨盤が前傾しすぎる
- 股関節の屈曲・内旋がうまく使えない
- 太ももの前(大腿四頭筋)を使いすぎてしまう
といった代償動作。
結果的に、股関節の前側ばかりにストレスが集中し、FAIを引き起こしやすくなります。
③ 姿勢の癖(反り腰・骨盤前傾)の影響
反り腰・骨盤前傾は、前側痛と相性最悪の組み合わせです。
反り腰になると、以下のようなことが起こりやすいです。
胸郭後方が硬い→腰が反る→腸腰筋が常に張る→股関節の前側にストレスが集中する
さらに、週末アスリート特有の
- 平日座りっぱなし
- いきなり週末に運動をする
- 崩れたフォームのままでトレーニングを行う
といった行動が積み重なり、鼠径部を痛めるケースが非常に多いです。
鼠径部痛に多い“代償動作”を知る
前側痛の人に共通する、よくある代償動作があります。
① スクワットで“腰主導”で沈む
本来は股関節・膝・足首を折ってしゃがみ込んでいく動作なのに、腰を反らせてしゃがむ癖があると、鼠径部に詰まりが起きやすいです。
このような動きのままトレーニングを行うと、分離症や滑り症と言った腰の怪我にもつながります。
② ランニングでの設置が“ブレーキ動作”になっている
着地のときに骨盤の前傾が強いままブレーキをかける走り方は、腸腰筋に過剰な負担をかけます。
③ 股関節の屈曲ではなく“大腿四頭筋の引き上げ”で動く
股関節を深く曲げる動作が苦手な人は、もも前で代償するパターンが多く、これがFAIに直結します。
自分でできる簡易チェック法
● トーマステスト簡易版
ベッド(または床)で片膝を抱え、反対の脚が浮くかどうかを見る。
浮く場合は腸腰筋が働きにくい可能性あり。
● 片脚立ち
鼠径部が詰まる、骨盤が落ちる、横に流れる場合、動作制御の問題が考えられます。
● スクワットで底に沈んだときの感覚
・前が詰まる
・腰が反る
・大腿前が張る
これらはFAIや腸腰筋の機能不全パターン。
改善のためのアプローチは「腸腰筋を伸ばす」ではない

鼠径部痛の改善で真っ先にやりがちなのが、腸腰筋のストレッチ。
しかしこの腸腰筋のストレッチは逆効果となることがあります。
前側痛の改善に必要なのは、
① 胸郭の位置を整える
② 骨盤・体幹の協調を戻す
③ 股関節の屈曲・伸展を正しく使う
の3つです。
① 胸郭の柔軟性を取り戻す
胸郭が固いと背骨のしなるような運動が起こらず、腸腰筋は引っ張られ、反り腰になり、鼠径部が痛くなります。呼吸エクササイズや胸椎の回旋エクササイズを取り入れることで、股関節の負担が大きく減ります。
② 骨盤と体幹のコントロールを改善する
体幹部の安定性が保たれ、骨盤の前傾・後傾のコントロールができると、股関節の前側の詰まりが減ります。
③ 股関節の屈曲パターンを再教育する
スクワットやランの動きで、「股関節で曲げる」「体幹を安定させる」「もも前ではなく、お腹・腸腰筋で脚を上げる」という正しい動き方を学び直すことが重要となります!
週末アスリートに多い「やりがちな間違い」
❶ ストレッチのやりすぎ
腸腰筋や前ももを伸ばしまくる → 一時的に楽になるが余計に不安定になって悪化。
特に適切なフォームでストレッチ感を得ることができずに、反り腰を作るような姿勢でストレッチを行なっている方が多いように感じています。
❷ 急に高強度のトレーニング
平日動かない → 週末にいきなりラン10km、スクワットMAX挑戦 → 炎症。
❸ もも前に頼ったフォーム
ラン・スクワット・ジャンプすべての運動でももの前側に依存した動きとなっていて痛む。
最終的には“全身の連動性”で改善する
鼠径部痛は、
股関節だけの問題ではなく全身のクセから起こる痛み です。
- 胸郭が硬い
- 体幹が安定しない
- 骨盤の前後の動きが大きい
- 股関節の屈曲が弱い
- ランでブレーキ動作が強い
これらを総合的に整えることで、前側の痛みは改善に向かいます。
そして何より、
正しい動きを身につけることでパフォーマンスも確実に上がる。
これはトレーナーとしてあなたが最も得意とする部分であり、
鼠径部痛の改善とパフォーマンスアップは密接に関連しています。
前側の痛みは「使い方を変えれば」改善できる

鼠径部痛は、
・腸腰筋の機能不全
・FAI
・姿勢の癖
・代償動作
が複雑に絡んだ痛みです。
しかし、「胸郭 → 体幹 → 股関節の順に整える 」この流れで改善するケースが非常に多いです。
次の記事では、
“外側(大転子)の痛み”について深掘りしていきます。
こちらも週末アスリートに多い症状なので、ぜひ合わせてご覧ください!!

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パーソナルジムAIDについて紹介している記事もあります。ぜひ「こちら」も合わせてご覧ください。


パーソナルジムAID広尾へのアクセス
パーソナルジムAID広尾は、広尾駅と恵比寿駅のどちらからも徒歩圏内でアクセス可能です。通いやすい立地なので、仕事帰りやお出かけついでにも便利です。
恵比寿駅・広尾駅のお近くでパーソナルトレーニング受けたいという方は、是非一度いらしてください!
広尾駅からのアクセス(徒歩約4分)←タップで地図を表示
① 広尾駅2番出口を出て地上に上がります。
②「広尾散歩通り」を右に曲がり、セブンイレブンを目印に直進します。
③ 約180m進むと「祥雲寺」の門が見えるので左折します。
④ さらに約50m進むと右手に「ナチュラルローソン」があるので右折。
⑤ そのまま10mほど進むと左手に「SR広尾」ビルがあります。
⑥ ジムはビルの4階にあります。
恵比寿駅からのアクセス(徒歩約15分)←タップで地図を表示
① 恵比寿駅東口を出て恵比寿ガーデンプレイス方面へ直進します。
②「恵比寿南交差点」を渡り、広尾駅方面へ進みます。
③ 道中に「ナチュラルローソン」や「祥雲寺」などの目印があります。
④ 広尾駅近くの「広尾散歩通り」を右折し、上記の広尾駅からのルートと同じ道順で進んでください。
経歴
ー2017-2023 学校法人杏文学園 杏文パフォーマンスセンター
ー2023-現在 株式会社N-SQUARE
資格
ー柔道整復師
ーNSCA-CPT
ーNASM-PES
