
作成日時:2025年5月31日
デスクワーカーの肩甲骨の固まりとは?-パーソナルジムAID広尾
長時間のデスクワークの影響で「肩甲骨が固いんです」
そういった悩みをよく耳にします。
デスクワークやスマホの長時間の操作などから、猫背やストレートネックなどの姿勢不良で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
この様な姿勢が長時間続くと、肩甲骨が固くなり肩こりや腰痛などの慢性痛などを引き起こします。
では、肩甲骨が固いとはどのような状態なのでしょうか?
肩甲骨って動くの?
結論から言うと「肩甲骨はしっかりと動きます!」
肩甲骨は3つの関節を構成しており、17個の筋肉が付着しています。
私たちは筋肉の収縮を利用して関節を動かしているため、肩甲骨はしっかりと動くべきです。
日常生活では
・頭上に物を持ち上げる
・物を投げる
・押す/引く
など、腕を使う動作では必ず肩甲骨の動きが必要となります。
しかし、肩甲骨は動けば動くだけ良いと言う訳ではありません。
肩甲骨が構成する3つの関節にも「モビリティー関節」と「スタビリティー関節」のそれぞれの役割を持っているため、肩甲骨が動きすぎるor肩甲骨が動かない これらのどちらかに分類されるのが良くありません。
(モビリティー関節、スタビリティー関節に関しては「こちら」の記事をご覧ください。)
今回3つの中でも特に重要な2つの関節をご紹介します。
肩関節①肩甲上腕関節について

この関節は、モビリティー(可動性)を重視しているため、自由度が高くさまざまな方向に動かせるのが特徴です。
しかし、その一方で安定性が低いことが課題となっており、これがケガの原因になることもあります。
肩甲上腕関節の構造を「ゴルフボールがティーに乗っているようなもの」と例えることがあります。

これは、上腕骨の丸い骨頭が、肩甲骨の浅い関節窩に乗っている状態を指しており、面積が小さいために不安定なのです。
そのため、肩甲上腕関節は脱臼が起こりやすく、特に前方脱臼が多く見られます。
この安定性を補うために、インナーマッスル(ローテーターカフ)や靭帯が周囲を支え、関節が外れないようにサポートしています。
肩甲上腕関節が正常に動いている場合、「バンザイ」をした際に腕が耳の横までしっかりと上がります。
しかし、可動性が低下していると、腕が耳の横に届かない、または肩をすくめたような不自然な動きになってしまいます。
肩関節②肩甲胸郭関節

他の一般的な関節と異なり、骨同士が直接接触しているわけではありません。
肩甲骨と肋骨の間には筋肉や筋膜が介在しており、これが肩甲胸郭関節を特殊な構造にしています。
関節包や靭帯を持たないため、「機能的関節」と呼ばれています。
これに対し、通常の「解剖学的関節」は、関節包や靭帯で囲まれた空間を持ち、骨同士が滑らかに接触して動きます。
先述した、肩甲上腕関節は解剖学的関節にあたります。
肩甲胸郭関節では、肩甲骨が肋骨のカーブに沿って滑り動くため、肩甲骨が自由に動けることが肩関節の可動域を広げるポイントとなります。
猫背のように背中が丸くなると、肩甲骨も外側に引っ張られてしまい、内側に寄りにくくなります。
そのため、肩甲胸郭関節の柔軟性が低下すると、肩の可動域制限に繋がることが多いです。
肩の内巻きは肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節が関わっていた

デスクワークは常に胸の前に腕があり、やや猫背姿勢になりがちですよね。
キーボードを打つ際は、机に手を置いて肘が外に開いているような状態だと思います。
この姿勢がまさに巻き肩を作っています。

肩甲骨が前上方に位置し、上腕骨は内旋位(内巻き)で固まってしまいます。
イラストの矢印が全体的に内側に向いているのが、わかるかと思います。
肩甲骨が前上方に動くことで、胸椎(背骨の一部で肩甲骨と同じ高さに位置する)が丸くなってしまいます。

内側に集約することで、小胸筋や大胸筋、広背筋などが固まってしまいます。
過去に巻き肩について記載した記事があるので合わせてご覧ください。
https://www.aid-hiroo.com/wp-admin/post.php?post=4492&action=edit
肩甲骨は他の骨と連鎖して動いている!
ここまでで肩甲骨は様々な骨と繋ぎ合っていることが理解できたかと思います。
肩甲骨が構成している関節は「可動性」と「安定性」の両者を保つために、上腕骨や胸椎、鎖骨などの他の骨と連鎖して動いています。
連鎖:肩甲上腕リズム

肩甲上腕リズムとは、肩甲骨と上腕骨が協調して動くリズムのことを指します。
腕を挙げる動作(バンザイ)は180°の可動域が適正と言われています。
腕を180°の挙上する際には、肩甲骨と上腕骨が2:1の割合で動くのが正常とされています。
120度は上腕骨の動き、60度は肩甲骨の動きによるものです。
このリズムが崩れると、肩甲骨が十分に回旋できず、肩関節に負担がかかります。
主に、棘上筋や僧帽筋、前鋸筋がリズムの調整をサポートしており、これらの筋肉が硬直するとリズムが乱れ、肩こりや肩関節の痛みを引き起こします。
筋の協働収縮:フォースカップル
肩甲骨のフォースカップルとは、複数の筋肉が異なる方向に引っ張り合いながらも、結果的に一つの動きを生み出す力のバランスを指します。
引用:上肢拳上運動における運動速度が肩甲骨周囲筋の活動順序に与える影響
この動きは、僧帽筋上部繊維、僧帽筋下部繊維、前鋸筋が連携して働くことで実現します。
僧帽筋上部繊維が肩甲骨を引き上げ、前鋸筋が外側へ引っ張り、僧帽筋下部繊維が下方向へ引くことで、バランスよく肩甲骨が上方に回旋します。
これらの筋肉が協調的に収縮することで、肩甲骨がスムーズに回旋し、肩関節の可動域を確保できます。
このように、異なる方向へ引っ張り合う筋肉が互いにバランスを取りながら動くため、「フォースカップル(力のカップル)」と呼ばれます。
上方回旋がうまくできないと、肩甲上腕リズムの乱れとなり、腕を挙上させるバンザイの動作がスムーズに行えません。その結果、肩こりや肩関節の痛みに繋がります。

肩甲骨のポジションを元に戻して肩こりを改善しよう!
肩甲骨が「固まっている」とは、姿勢不良から肩甲骨が適切に動かず、骨連鎖がうまく機能していない状態を指します。
肩甲骨を適切に動かすためには、適切な可動域と筋力バランスが求められます。
日常生活では、デスクワークやスマホ操作が原因で、肩甲骨が外側に引っ張られたり、猫背やストレートネックが定着しやすくなります。
これにより、肩甲胸郭関節の動きが制限され、肩甲骨が「固まった」状態となり、肩こりや慢性痛へと繋がります。
デスクワークで姿勢不良に悩まれている方はぜひパーソナルトレーニングで姿勢改善をしませんか?
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体験の流れは画像の通りになります。当日、カウンセリングと身体評価のもと運動を実施していきますので、運動経験が浅い方も安心して受けていただけます。
ぜひ下の体験申込ボタンから予約お待ちしております!
経歴
ー2020-2025 FLUX CONDITIONINGS
ー2025- 株式会社N-SQUARE
資格
ーNSCA-CSCS
ーActive-Aid Program Level 1 修了
ーActive-Aid Program Level 2 修了
ー中学校教諭一種免許状(保健体育)
ー高等学校教諭一種免許状(保健体育)
パーソナルジムAID広尾へのアクセス
パーソナルジムAID広尾は、広尾駅と恵比寿駅のどちらからも徒歩圏内でアクセス可能です。通いやすい立地なので、仕事帰りやお出かけついでにも便利です。
恵比寿駅・広尾駅のお近くでパーソナルトレーニング受けたいという方は、是非一度いらしてください!
広尾駅からのアクセス(徒歩約4分)
① 広尾駅2番出口を出て地上に上がります。
②「広尾散歩通り」を右に曲がり、セブンイレブンを目印に直進します。
③ 約180m進むと「祥雲寺」の門が見えるので左折します。
④ さらに約50m進むと右手に「ナチュラルローソン」があるので右折。
⑤ そのまま10mほど進むと左手に「SR広尾」ビルがあります。
⑥ ジムはビルの4階にあります。
恵比寿駅からのアクセス(徒歩約15分)
① 恵比寿駅東口を出て恵比寿ガーデンプレイス方面へ直進します。
②「恵比寿南交差点」を渡り、広尾駅方面へ進みます。
③ 道中に「ナチュラルローソン」や「祥雲寺」などの目印があります。
④ 広尾駅近くの「広尾散歩通り」を右折